塾講師は時給もよく、自己成長も期待できるので、大学生にとっては非常に人気のアルバイトですよね。
でも塾講師を始めるときに、
「塾講師をするためには、資格が必要なのだろうか」
「高学歴でないと採用されないのだろうか」
と疑問に思うこともあるかと思います。
今回はそのような疑問に答えるとともに、塾講師のバイトをする場合にあると便利な3つの資格について解説します。
塾講師には資格は不要
塾講師になるために、資格は必要なのでしょうか。
結論から言うと、学校のように教員免許がなくても塾講師のバイトはできます。
学歴に関しても、出身大学だけで採用が決まるわけではありませんし、高学歴だから塾講師に向いているとも限りません。
もちろん難関大学を対象にした進学塾などの一部では学力が必要ですが、学歴だけではなく、
「どうしたら生徒が理解しやすいか」
について考えることができる人が向いているのです。
分からない生徒に対して
「なんでこんな問題も分からないの?」
と言うだけでは、その生徒の成績は伸びないですよね。
このように、生徒とコミュニケーションが取れ、その子のやる気スイッチを探してあげられる先生こそが塾講師として向いている人であり、資格や学歴がなくてもそれは可能なのです。
あると便利な3つの資格
塾講師になるために教員免許などは不要ですが、あると便利な資格もあります。
英検
まず一つ目は英検です。
なぜこの英検の資格があると良いかというと、英検を利用して大学受験できる学校が非常に増えているからです。
英検で定められた級やスコアを所持していることで、大学入試を有利に受験することができる優遇制度があります。
優遇内容はおもに下記の3つです。
- 出願できる条件となる「出願資格」
- 取得内容をもとに入試で点数が加算される「得点換算」
- 複数の受験生がいた場合に判断材料になる場合
例えば、英検2級を持っていれば名古屋市立大学 人文社会学部・大阪大学 経済学部・京都大学 農学部などの国立大学でも①の優遇制度(出願資格)が適用されます。
明治学院大学、立命館大学のほとんどの学部では資格を持っていることで、②の条件つまり入試得点にプラスしてもらえます。
準2級でも、法政大学のキャリアデザイン学部、理工学部では③の優遇が受けられますので、英検を持っていれば様々なメリットがるとあるということですね。
英検を取得するためには、やはり受検経験者である塾講師であれば、生徒にとっては心強いと言えます。
漢検
英検ほどではありませんが、漢検を利用して大学受験できる学校が多少あります。
上記サイトによると、2019年度の「大学・短大における漢字検定の活用校」は57%でした。
特に総合型選抜(旧AO入試)や推薦入試で出願条件としている学校が多く、目安は準2級か2級保持を要件にしています。
また、漢検の資格を所持していることで入学試験が一部免除となる場合もあります。
そして英検同様に資格を点数化して、試験や出願書類の得点に加算してくれる場合もあります。
自己PRや総合判断の材料としてもらえることもあり、3級以上を目指せばメリットがありますので、塾講師も3級以上を保持していると良いですね。
数検
では数検はどうでしょうか。
数検はとりわけ総合型選抜(旧AO入試)で評価されることもあります。
保持していればエントリーシートに記載をしてアピール材料の一つとして参考にしてもらえたり、参考資料として活用してもらえたりする場合が多いです。
中には多摩大学 経営情報学部のように「準2級で5点、2級・準1級・1級で10点」の加点がある場合があります。
以上のように、塾講師も数検の資格があれば生徒にアドバイスができますので、メリットがあると言えるでしょう。
資格を持っていても時給は上がらない?
先ほど大学受験生は英検・漢検・数検の資格があれば、入試に有利だと説明しました。
塾講師も上記3つの資格を持っていると生徒の進路指導などに活かすことができますね。
でも、残念ながら時給が上がることはほとんどありません。
なかには英語を中心とした塾などでは資格を持っていることで、採用時に時給が優遇されることもあります。
でも一般的には資格を持っているかどうかよりも「教えることに対しての熱量」のほうが評価の対象になりそうです。
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塾によっては学歴が必要
ほとんどの塾では講師が高学歴でないといけない、という条件はありませんが例えば「講師が東大のみ」を売りにしている塾などでは高学歴(東大生)しか採用されません。
つまりハイレベルな講師陣が売りにしているところであれば、講師の学歴自体が生徒と保護者にとっては重要だからです。
例えば中学受験をして進学校に進み、将来は東大に行きたいという小学校高学年の塾では、講師自体が中学受験経験者であるほうが望ましいですよね。
そして現在現役の東大生であれば、尚良いわけです。
このような塾では塾講師の採用試験時に、当然出身校を見られます。
ただ学歴が条件である場合でも、ない場合でも共通して言えることは、わかりやすく教えるスキル、責任感、生徒に対する熱意、コミュニケーション力のある講師であることが大切だということです。
生徒に授業をするだけの学力は必要
いくら学歴が必要ないとはいえ、自分が指導する学年に合わせた学力は最低限必要となります。
例えば国公立や医学部受験を目指す子が多く在籍しているのであれば、講師もその問題が解けるレベルの学力が必要となります。
一方で小学校の授業についていけない生徒向けの塾であれば、学力もそのレベル以上であれば問題はないので、採用の難易度は下がります。
つまり、あなたがアルバイトをしたいと思っている塾がどのような生徒を顧客としているのかを知ることができれば、講師のレベル感もわかることでしょう。
塾には様々な形態があるとお伝えしましたが、一般的には集団塾指導のほうが、個別指導の塾よりも高い学力が求められる傾向があります。
そしてあなたの学力が高いことが求められるというよりは、生徒のために授業の事前準備ができているか、生徒から信頼される先生になれるかどうかが採用のカギとなるのです。