「これまで学校の勉強はそこそこ頑張ってきたけど、模試になると偏差値40ちょっとなんだよな...
偏差値40台って高くないのは分かってるけど、これから勉強すれば上がっていくのかな?
なんとなく不安だな...」
これから受験勉強を始めようと思った時、偏差値40台の自分はどこまで成績をあげられるのか少し不安になりますよね。
偏差値40台の高校生はこれから成績を上げて偏差値60超え、難関校に合格という未来は十分にあります。
しかし、これまで学校の定期テスト対策はそこそこやってきたのに、模試になると偏差値40台しか取れないという方も非常に多くいます。
もしあなたがそのような場合、勉強は頑張ってきたのにあまり実力がついていないという現実も受け入れなければなりません。
今回は受験勉強を始めたての高校生に知っておいて欲しいこと5つを解説します。
このまま勉強を進めても大丈夫なのか、それとも今の勉強のやり方では成績は上がらず志望校合格が難しいのか一緒に確認していきましょう。
目次
【受験勉強を始めたての高校生へ】知っておいて欲しい5つのこと
受験勉強を始めたての偏差値40台の高校生に知っておいて欲しいことを5つ解説していきます。
「知っているよ」と思う部分もあるかもしれませんが、とても重要なことなので改めて読み進めてみてください。
①ネットやSNSで紹介されている勉強方法はあなたにとって最適ではない
受験勉強をこれから始めようと考えている高校生で、ネットやSNSを使って勉強方法を調べる方が非常に多くます。
最近はYoutubeなどでも勉強のやり方を解説してくれいたりして、その中には有益な情報も多く含まれています。
しかし、それらの情報があなたにとって最適ではないということもきちんと理解しておかなければなりません。
これらの情報を否定したいのではなく、あなたにとって有益な情報もあるが、あなたの成長を邪魔する情報が含まれていることも十分にあるということを理解しておいて欲しいのです。
理由としては、SNSなどで解説されている勉強法は以下のような特徴があるためです。
- 「多くの人にとって当てはまるであろう」情報を発信している
- 必要な情報を全て伝えるのは難しく、断片的になってしまう
ネットやSNS、YouTubeの情報は、あなただけのために発信されているのでありません。
「これは多くの人に当てはまるだろう」という情報を発信しているため、あなたのためになる情報もあれば、不要な情報もたくさんあります。
インフルエンサーやYoutuberはあなた個人を見ているわけではなく、大衆に向けて情報を発信しているので当然のことですよね。
また一見あなたにとって必要そうな情報でも、本当は必要がなかったなんてことも珍しくありません。
ネット上にはたくさんの情報があるため、自分にとって必要なものとそうでないものをきちんと取捨選択することが重要になります。
あなたが成績を上げるために必要な情報を、全て一から十まで丁寧に発信されていることはほとんどありません。
例えば英語の勉強のやり方を解説しようとしても
- 英語の勉強の順番
- 英単語の正しい覚え方
- 英文法の正しい勉強方法
- 英文法の参考書と問題集の使い分け
- センター試験から共通テストに変わったことで英文法の重要性が変わったのか
- 英文解釈とはそもそも何か
- 英文解釈のために何を勉強すればいいのか
- 英語の長文読解はいつから、何を意識して、どれぐらい解けばいいのか
伝えるべき情報を書き上げるとキリがないのでこれぐらいにしますが、これらの情報を一回で発信しようと思うと膨大な時間やページ数になります。
そのため、どうしても分割しながら断片的に伝えていくしかないのです。
それ以外にも「英単語の勉強をしてきたのに長文読解になると単語の意味が出てこない」など、受験勉強中に出てくる悩みはたくさんあります。
これらの情報をあなたは適切なタイミングで、最適な情報を見つけ続けることができるでしょうか?
それ以外にも、一見すると「正しそうだな」という情報を見つけることができても、勉強しているうちに「あれは自分には合わなかったな」なんてことはたくさんあります。
受験勉強は時間との勝負なので、そのようなことを繰り返している暇はありません。
何度も言うように、ネット上で発信されている情報を全て否定したいわけではありません。
それらがあなたにとって本当に必要なものなのか、その情報が正しいものなのかをきちんと取捨選択する力がなければ、時間を無駄にしてしまうリスクがあるということを理解しておいて欲しいのです。
最近はこのような受験生が多くなってきているので、特に注意していただければと思います。
②学校の定期テストと受験勉強は全然違う
学校の定期テスト対策の勉強はそこそこ頑張ってきたけど、模試になると偏差値40台しか取れない。
このような受験生は非常に多くいます。
勉強の得意不得意は主に下記の4つのパターンがあります。
- 定期テストも模試も両方すごくできる
- 定期テストはそこそこできるけど、模試は苦手
- 定期テストは点数低いけど、模試になるとそこそこできる
- 定期テストも模試も苦手
この中で一番注意して欲しいのが2に当てはまる受験生です。
2に当てはまる方は、これまで定期テストはそれなりに真面目に勉強して対策してきたのでしょう。
しかし、模試になるとこれまで勉強してきたことを活かすことができていないのです。
つまり、定期テストのためのその場限りの短期的な暗記の勉強しかできておらず、勉強した内容を理解することができていないのです。
このような受験生は先ほども説明したように性格的にも真面目な方が多いです。
そのため受験勉強もたくさんの時間勉強する方が多いですが、それなのにあまり成績が上がらないという特徴があります。
2に当てはまる受験生には、あえて厳しいことを言いますが
定期テストのように決められた狭い範囲を短期的に暗記することは、真面目な高校生であれば誰でもある程度できます。
しかし模試のようにこれまで学習してきた範囲から、それらを理解できているか問われる問題ではあなたは力を発揮できていないのです。
そして受験勉強は定期テストのような短期的な暗記では乗り切ることはできません。
長期的に記憶し、それらを理解する力が必要になります。
定期テストはそこそこできるけど、模試は苦手という高校生ほど、勉強のやり方が間違っていたり、あまり意味のない勉強に多くの時間を割きがちです。
そのため、勉強時間の割に成績があまり伸びないということに陥ってしまうので注意してください。
③志望校合格までに必要な勉強を見極めることが大事
真面目な受験生ほど陥りやすいのが完璧主義な勉強方法です。
しかし、あなたの目的は「英語を完璧に理解する」とか「数学をすべて解けるようになる」ことではなく、志望校に合格することなはずですよね。
それであれば志望校合格までに必要な勉強をきちんと見極めることが大事になります。
もう少し具体的に、2023年度の一橋大学 経済学部の前期入試を例にして解説していきます。
共通テスト(210点満点)
国語(40)、英語(40)、社会2科目(20×2)、数学(20×2)、理科(50)
二次試験(790点満点)
国語(110)、英語(260)、社会1科目(160点)、数学(260点)
上記が共通テスト210点と二次試験790点の合計1,000点満点の配点になります。
これを見ただけでも下記のようなことが分かりますよね。
- 共通テストよりも二次試験の方が圧倒的に配点が高い
- 1,000点満点のうち英語と数学が300点分ずつなので、この2科目が合否に大きく影響
- 1,000点満点のうち国語が150点、社会1科目が180点分あるので、この2科目も重要
- 1,000点満点のうち社会2科目目は20点、理科は50点なので比重が高くない
そして一橋大学のようなレベルであれば二次試験の方が共通テストよりも難易度が高くなります。
つまり、英語と数学、国語、社会1科目は二次試験のレベルに照準を合わせることで、共通テストのレベルにも対応できるように勉強を進めていくことが大事になります。
逆に共通テストのレベルに照準を合わせて勉強してしまうと、いざ一橋大学の過去問を解くときに歯が立たないことになるので注意が必要です。
そして、その次に各科目の傾向を確認していきましょう。
一橋大学の英語を例にすると簡単に下記のような傾向があります。
- 大問は長文、英作文、リスニングがメインで出題される
- 文法・語法を問われる大問はない
- 時間に対して問題数はあまり多くない
これらのことから、英文を速読する力よりも正確に読み取る精読の力の方が重要であることや、
文法をきちんと理解する必要はあるが、文法・語法の問題対策の重要性は高くないことなどが分かります。
このように志望校の配点や過去問を分析することで、どの科目のどの部分を勉強することが志望校合格のために必要なのかを見極めることができます。
「英語を完璧に読めるようになる」という漠然とした目標ではなく、上記のようなことを意識することが志望校合格に近付くためには必要になるのです。
④「間違った勉強」では成績は一向に上がらない
定期テストは頑張ってそこそこの点数が取れるのに、模試では偏差値が40ちょっとしか取れないという方は真面目な方だとお伝えしました。
真面目な受験生は努力ができる人なので、勉強のやり方さえ正しければどんどん成績を伸ばすことができます。
しかし、間違った勉強をしていると、「必死に勉強しているのに全然成績が伸びない...」ということに悩むことになります。
そして非常に多くの受験生が、この『頑張っているのに報われない』という状況に陥ってしまいます。
では、間違った勉強とはどのようなものなのかいくつか例を出してみます。
- 英単語や社会の教科書を一回で丸暗記しようとしている
- 問題集を終わらせることばかり意識している
- 書いて覚えようとする
- ノートをまとめて勉強した気になっている
このようなことが間違った勉強法として有名なところでしょう。
それ以外にも、勉強の順番もとても重要になりますので、先ほどの一橋大学の英語を例にして解説していきます。
一橋大学の英語では長文の大問が出題されるので、長文読解の対策から始める受験生がいます。
しかし、長文読解というのは下記の能力が備わって初めてきちんと読むことができるようになります。
- 英単語を1000語以上暗記している
- 英文法の基礎は理解できている
- 1と2を合わして、短い英文をきちんと読み取ることができる
例えば「動名詞の意味上の主語」とはどのようなもので、どういった時に、どの部分に入るのか。
このような基礎的な英文法をきちんと理解できていなければ長文を正しく読み取ることはできません。
たまたま自分が知っている単語や文法が並んでいる簡単な長文は読めても、入試レベルの長文は読めないでしょう。
そしてそのような受験生ほど、「もっといっぱい長文を読めば、いずれは読めるようになるだろう」とやみくもに長文読解の量ばかり増やしてしまうのです。
しかし、それではいつまでたっても長文を読めるようにはなりません。
このように、志望校の過去問の傾向がわかっても、それを解けるようになるためにどのように勉強するべきかを理解できず、間違った勉強法をしている受験生が非常に多くいるのです。
それでは意味のない勉強にばかり時間を使ってしまい、結局「勉強しているのに成績が上がらない」ということになってしまいます。
そのため、勉強の『量』を増やすことは当然必要ですが、それと同じぐらい勉強の『質』を上げることが大事であることを知っておいてください。
⑤基礎固めは『何をするか』ではなく、『何をできるようになるか』
この記事にたどり着いたあなたは、きっとこれまでにネットやSNSである程度、受験勉強に関する情報を集めてきたのだと思います。
その中で「基礎固めが大事」というのは何度も目にしてきたのではないでしょうか。
- 受験勉強は基礎固めから始めましょう
- 基礎固めができていないと、成績を上げることはできません
- 英語の基礎固めは単語と文法です
などのように、基礎固めについて多くの説明を見てきたと思いますが、一つ注意して欲しいことがあります。
それは、基礎固めは『何をするか』ではなく『何をできるようになるか』という視点で取り組んで欲しいということです。
例えば、英単語について、「単語帳を1周する」とか、あるいは「5周する」のように、基礎固めの目標を『何をするか』ということに置くべきではないのです。
それよりも「英単語帳の5〜6割ほどを暗記する」というように『何をできるようになるか』という視点で考えるべきなのです。
「単語帳の5〜6割ほど暗記する」のような、目的のために単語帳を何周するという手段があるだけです。
しかし、多くの受験生がその結果の部分だけを取り出して、「単語帳を5周すれば基礎固め完了!」と考えてしまっています。
単語帳の5割も暗記できてないのであれば、単語帳は10周であろうと20周であろうと続けなければなりません。
基礎固めとは、『何ができるようになれば基礎が固まったのか』を理解した上で、そのために『何をするべきか』を考えていくことが大事になります。