大学生の塾講師アルバイトは、社会人になる前の貴重な経験ですね。
志望校合格という目標を持つ生徒たちに勉強を教え、成績アップへ導くことは、大きなやりがいがあるでしょう。
でも、一方では
「もし生徒たちの成績が伸びない場合、自分の責任になるのだろうか」
と不安に思っている人も多いはずです。
塾講師のアルバイトと正社員では、雇用形態や給与の違いがあるのは理解できますが、仕事内容や責任についてはどうでしょうか。
今回は塾講師バイトの責任範囲について、解説します。
目次
塾講師は責任を持って仕事をするべき
塾講師バイトの責任範囲について説明する前に、まずあなたが果たすべき役割についてしっかり考えてみましょう。
塾講師の一番の役割は、塾に通う生徒の成績を上げることです。
決して安くない授業料を払っている生徒・保護者に対して、成績を上げるために理解し易い授業を行い、分からないところは丁寧に教えなければなりません。
つまり、月謝の対価として「成績を向上させる」ことを提供するということですね。
そのためには事前に授業の準備をしっかり行い、生徒一人一人の得意・不得意を分析する必要があります。
志望校合格へ導くこと、つまり生徒一人一人の人生を左右するだけの影響力があるアルバイトをしていることを、まずは自覚しましょう。
指導形態による責任の違い
塾には様々な形態があります。
20名~30名の生徒を先生が一人で指導する集団指導塾、先生と生徒がマンツーマンもしくは1対2の体制で指導を行う個別指導塾、他にもオンライン指導などがあります。
今回は大学生が塾講師アルバイトとして働く機会の多い、集団指導塾と個別指導塾の責任の違いをまとめました。
集団指導塾
まず、20名~30名の生徒に授業を行う集団指導塾は決められたカリキュラムの内容について、より分かりやすい授業を行うことが求められます。
なぜなら、生徒が多いので集団指導の場合は学校の授業のように進める必要があるからです。
途中で授業を中断できませんし、その授業に出席する生徒のレベル感に合った内容の授業をしなければなりませんね。
理解が早い生徒と遅い生徒が混在する場合もありますので、授業内容のペースにも気を付けましょう。
授業前の準備も大切な仕事の一つです。
具体的には、生徒が学校で習っている授業のカリキュラムを調べ、塾講師アルバイトだけでなく、社員や塾長含めてみんなで話し合います。
一方的な授業では生徒は退屈になりますし、生徒があなたの授業に興味を持って聞いてくれるような関係性を築くことも大切なことです。
そのため、クラス全体の雰囲気づくりも先生の仕事の一つと言えるでしょう。
多くの生徒、保護者と接する機会が多いので、コミュニケーション能力の高い人にはお勧めの授業形態ですね。
このように、集団指導塾の塾講師アルバイトは、多くの生徒が理解し易い授業を工夫して行うことがポイントです。
個別指導
個別指導塾は、生徒一人一人に対して最適な授業を行い、成績を上げることが求められます。
つまり個人の学習理解度に応じたオーダーメイドの授業です。
なぜなら、集団指導で授業についていけなかったり、集団の中ではなかなか積極的に質問ができなかったりする生徒もいるので、その生徒に合ったペースで授業を進める必要があることを意識すべきだからです。
とくに苦手な点に時間をかけることもできますし、生徒と近い距離でコミュニケーションが取れるというメリットもあります。
近い距離だからこそ、的確な指導ができ、生徒は安心した環境で勉強に集中できますね。
一方では集団指導塾のような、競争する場面がどうしても減ってしまうので注意してあげましょう。
このように個別指導塾の場合は、その生徒に合った内容の授業をして成績を上げていくことが大きな目的であり、責任範囲です。
本当の意味での責任は塾が負う
生徒の成績が上がらない
塾講師アルバイトをしていて、生徒の成績が上がらないと自分の責任と思ってしまいますが、それが全て塾講師の責任というわけではありません。
なぜなら、いくら塾講師が熱心に的確な指導をしたとしても、成績が上がらないケースもあるからです。
例えば、生徒が学校の授業をしっかり聞いておらず、復習どころか塾での予習にまったくついていけていない場合もあります。
そのほかにも、塾の宿題は答えを見ながら「やっているつもり」になっているだけで、実際の学力は上がっていない場合もあります。
つまり、生徒本人にやる気がなく、勉強をする習慣が身に付いていないケースがあるのです。
なぜ成績が上がらないのかを分析する責任はもちろんありますが、必ずしも塾講師アルバイトに全責任があるわけではないのです。
成績が上がらない生徒がいる場合は、早めに塾長や周りの社員に相談するようにしましょう。
このような生徒の成績が下がらないためには、塾講師アルバイトだけに任せるのではなく、塾長や社員がフォローする必要があり、もしバイトに丸投げするような塾であるならば無責任だと言えます。
塾の経営業績
もし塾の経営業績の責任をバイトに押し付けるようなら、その場合も塾が間違っています。
なぜなら、塾側がバイトに何を求めていて、自分が何をするべきかを整理できていないために、そのような無責任なことが生じるからです。
例えば、アルバイト講師が直接「○○の講習を取ったほうが成績上がりますよ」「この教材も追加しましょう」などと、塾の経営を左右するような営業を過剰にかけさせる場合があります。
それ以外にも、休日に出勤させたり、授業の何時間も前から出勤させたりすることも塾として正しくありません。
保護者からのクレーム処理や、退塾したい生徒を引き留める行為も本来であれば塾長や社員が対応すべきでしょう。
このように、経営業績や重要なことをアルバイトに任せきりな塾は間違っているのです。
生徒のために全力を尽くすことが大事
あなたはどうして塾講師アルバイトを希望しましたか?
例えば、子どもと接することが好き、勉強を教えながら自分も成長したい、将来先生になりたい、コミュニケーションスキルを活かしたい、勉強が好き、信頼できる塾の先生を目指したい、など様々な理由があると思います。
塾講師のバイトは責任重大で、それがやりがいでもあり、しんどいところでもあるのです。
まずはそれをしっかり自覚することが大事ですね。
そして時には壁にぶつかることもあるでしょう。
塾講師アルバイトの仕事にやりがいを持っていても、個別指導塾であれ、集団指導塾であれ、自分が生徒のためにできる限りの努力をしてもバイトの立場ではどうにもならない時があります。
そういった時のために塾長や社員がサポートする必要があり、そのサポートがない無責任な塾であれば、バイトを辞めても問題はありません。
あなたが目指すところは、生徒の成績向上や志望校合格に向けて全力を尽くすことなのです。